陣痛の痛みを自覚してから5時間経過。
さらっと書いてますが
その間ずっとイシカワさんは私の腰を全力で押し続けてくれました。
文字通り「全力」です。
本人は
「こんなに力いっぱい押したら腰骨折れるんじゃ?」
とも思ってたらしいですが
強く押されれば押されるほど、痛みが楽になるのです。
最初の頃は
「押してる腕痛そうだし、少し一人で耐えようかな…」
と適宜休憩を与え(てやって)たのですが
お産の進行とともに、私にそんな余裕が無くなりました。
私は基本的に普段文句ばっかり言って(?)生きていますが
本当に辛い時は何も言わなくなります。
辛いとか眠いとかきついとか口にすると、
心が折れてしまって余計辛くなるのがわかってるのです。
が、遂にそれもここで限界に。
数回前の波から、痛みと共に「いきみ」を感じるようになっていました。
痛みは我慢するだけなのですが、
いきみはなんとかしてやり過ごさないとダメで。
ここで我慢できないと股が裂けるってことはわかってたのですが…。
ナカイ「押して。上。いや、下。右かも。
ダメ。どーやっても痛い!むりーーー!」
ちょうどその時でした。
院長「お待たせ!!!
よし、麻酔いこう麻酔!」
23時30分。
走り込んできてくれた院長先生が、
本気で神に思えました!
(しかしここでどうしても気になって
「向こうの妊婦さん大丈夫でしたか?」と聞いてしまい、
「えっ?まだ他人の事気にしてる余裕あるの?!」と驚かれました^^;
ちなみに母子ともに無事でした。良かった…!)
LDR室から手術室へ移動。
陣痛の波が来ててもお構いなしに移動させられましたが、
これが最後の痛みだと思って耐えました。
そして8時間前、
「これで無痛麻酔なんて楽勝じゃん」
と能天気な事を考えていた手術室再び。
一度全裸になって血圧計やら点滴やら
心音モニターやらを改めて装着します。
そして脊椎麻酔の注射を入れるために
手術台の横に腰かけて背中を丸めます。
同じ体制で同じように注射するのですが
無痛分娩の麻酔は言わば「寸止め」で技術的に難しく、
少しずつ調節しながら麻酔を入れるのに対し、
脊椎麻酔は「ぶっ刺し」で簡単な上、
一気に麻酔を入れるので帝王切開に使えるほど強力です。
8時間前と同じように、「麻酔の為の麻酔」を打ってから
長い針が差し込まれます。
が。これもまたうまくいきません。
一度抜いて再挑戦。
それも抜いて3回目…。
ちょうど背中を丸めた私の目の前に血圧のモニターがあり、
それをずっと見ていました。
値は141。やっぱり妊娠高血圧傾向のままだな と思った瞬間、
背中の奥に麻酔液が入る感覚があって
次に頭からさーっと血の気が引いていき、
目の前の血圧の表示が90にまでみるみるうちに下がりました。
麻酔刺さったんだ!
あぁ、もうこれで9割お産終わったな!
嬉しくなって瞬時に後ろを振り返ると
院長先生が大きく息を吐いて
「よし、入った!
ごめんね何度も難産で…。
あっ、難産というのはこっちの話ね。」
(↑多分産婦人科内での業界用語。笑)
昼に失敗した分も含めて
通算7回目の注射でやっと成功。
その時にはもう下半身の感覚がまるで無く、
助産師さんに持ち上げられて仰向けになりました。
(続く)